2014年3月フランス

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(ロマネ・コンティの畑)

<2014年3月 フランス>

恒例のパリ・ブルゴーニュ・ドメーヌ試飲会に行ってきました。前半をブルゴーニュ、リヨン、そして帰国前日に試飲会。今回の目的は3つ、①パリ試飲会、②メオカミュゼとエチエンヌソゼでワイン購入、そして③今夏のロマネコンティ訪問の日程をもらうこと、でした。

3月初旬にロマネコンティにメールを。「以前約束して頂いたと思うんですけどぉ・・・・、2年に一回は来ていいって、おっしゃっていましたよねぇ、覚えていらっしゃいますよねぇ、、、。今年の夏なんかまたお邪魔できますかねぇ。ご相談にお邪魔したいんですけどぉ、、、」とメールをした。すると「来るには及ばず。希望日を言ってくれ」というわけで、あっさり、予約が取れ、今回の一番の目的は訪仏前に済んでしまいました。

ということで、すっきりとした気分で渡仏。今回の食事は控えめにと考えていましたが、同行者が「是非いろいろ行きたい!」ということで、いつもと変わらずグルメツアーに。

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(下・自慢のtofuのアミューズ)

IMG_1070まずは到着日夜に往年の三ツ星Lasserreへ。同行者は30年前に2つ星時に訪問経験あり。つまりその間に3ツ星になり、また2つ星に。メニュには「クラシック」と「現代」が。「クラシック」は「まさにフレンチ、おいしい」。「現代」には、「やわらかいtofu」など得体のしれないものが。そして「やわらかいtofu」は40ユーロ(6,000円弱)。さすがに注文する勇気はありませんでした。是非どなたかにチャレンジして頂きたい一品です。私の大好きだったLasserreはどこか遠い世界に行ってしまいそう、と感じました。寂しい限りです。

IMG_1093IMG_1104(左・とある昼食ととあるデセール)

 

 

 

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そして3日目、ご存じLameloiseへ。IMG_1105ラウンジでアペリティフを頂きながら、メニュをあれこれ検討。同行者2名は初めてなので、私が少しアドバイス。一人が「私リードヴォー(仔牛の胸腺)って、苦手なのよねぇ。」「いやいや、三ツ星クラスになるとめちゃめちゃ、おいしいですよ」「あの独特のアンモニア臭ってあるでしょ」「そんなもの全くないですよ。ただあまり旨味を感じないので個人的には好きではないけど・・・。」「そおぉ~。で太田さんは何するの」「私はコートドヴォー(仔牛の背肉)かなぁ。やはり肉食ってるって感じがするので」「う~ん、やっぱり私は子羊にするわ」「そーですか、リードヴォーおいしいのに」とやっとの思いで、皆注文を決めて、ダイニングサロンへ。

アミューズ、前菜、魚と進み、いよいよ肉が・・・。「さぁ、肉、肉」と、私の前に出てきたものは、「・・・。何これ?」「リードヴォーでございます」「わかってるって」「俺注文してないよ」「えっ・・・」すると同伴者が「あれっ、太田さん、リードヴォー、頼みましたよ」「えっ・・・。俺コートドヴォー・・・。」「いや、確かにリードヴォーって」「コートドヴォー、コートドヴォー、(おいしいよ、リードヴォー)、リードヴォー・・・」人に一生懸命すすめていたあまり自分で注文してしまったようです・・・。殆ど食べずに皆にあげました・・・。

しかしそんなことでくじける私ではありません。結局どうしてもコートドヴォーが食べたくて、翌日一人で食べに行きました。満足、満足。(下・やっとの思いでコート・ド・ヴォー)IMG_1134

そんなことのあった間に、ブルゴーニュは「グランジュール(偉大なる日々)」というイベントが開催されていました。生産者が生産地域ごとにとある会場に集まり、業者相手に試飲会を開催。私は原則扱うワインは殆ど決めているので、こういった多くの生産者が集まるイベントには興味がないのですが、折角なのでいくつかの会場にいってみました。1会場に100を超える生産者が集合し、まさにお祭り騒ぎです。20131126_112134 IMG_1087 IMG_0901

日本人の訪問客も多く、半端な数ではありません。当然駐車場は満車、こんな田舎では充実しているわけもなく、ブドウ畑の中にある会場に続く農道に数珠つなぎで駐車です。さらに細い農道、反対から車が来るともうすれ違いできません。

仕方なく我々も、途中であきらめ、バックをし、国道入口近くの農道に駐車。運転手側を小川沿い脱輪ギリギリに駐車、「さぁ、いきましょうか」とドアを開け、降りた途端、ズルッ、「あっ」、ズボッ、片足が小川にはまってしまいました。幸い足首までの靴だったので、泥が靴の中に入ることはなく。同行者は無責任に大笑いしていましたが、「たまらんなぁ、災難だ」と、会場に向かいました。marc - コピー

山ほどの生産者に来場客、「すごいなぁ」と感心していると、「やぁ、太田さん」と現地在住の日本人に声をかけられました。「おお、久しぶりだね。」「こちらこそ。でもやっぱり太田さんは違いますねぇ」「何が・・・」「畑回ってきたんでしょ。靴が泥だらけ」「・・・」「さすが生産者に好かれるわけだ」「・・・、ありがとう・・・」

(上・偶然(といっても彼の家の前で)会ったマルク・コラン氏)IMG_1160 IMG_1149 IMG_1147 IMG_1142

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこともありながら、グルメツアーは続きました。同行者が「どうしても行きたい」といっていたトロワグロ。そしていつも大きな期待を見事にはずしてくれるトロワグロ。(要するに「常にフランス料理界の常識を打ち破っている」)同行者には「うまい、まずい、を言ってはいけませんよ。彼らはおいしい料理をつくっているのではなく、これからのフランス料理の指針となるべきものをつくっているのですから」40年以上に渡り三ツ星を保持しているポールボキューズに並ぶ名店です。

IMG_1166到着、テーブルに案内。「なんじゃこれ。本当にダイニンIMG_1179 IMG_1184グ?」「だから言ったでしょ。最近改装したらしいですよ」「でも料理は期待、だね」「う~ん?」そして前菜が。「ゆで牡蠣のスペシャルソース」。サービスが得意げに「コレハ、『ダシ』、デス。」とゆで牡蠣にかける。食べる。「なんじゃ、これは!蒸しかきのポン酢がけじゃねぇか!これで88ユーロ(約12,000円)!」「まぁまぁまぁ」と憤る同行者をなだめつつも、怒りがおさまりません。私が注文した「手長エビ」。中くらいのが3尾で120ユーロ(18,000円)値段もさながら、味も「・・・」少々憤りを感じながらも、食べ終わって厨房へ。

ミッシェル・トロワグロの息子セザールが老人と話しこんでいる。「雑誌記者?」すると「ピエールですよ。ピエール・トロワグロ」それを聞いた同行者は「うぉ~、伝説のピエールだ!うぉ~。神様だぁ」一緒に写真を撮り、彼の感動は収まりません。「今夜は眠れんなぁ。はぁ~」「良かったですね。ところで牡蠣はどうでした」「牡蠣のポン酢がけ、最高じゃないですか~。やっぱりトロワグロは目の付けどころがちがうわ~」「・・・。IMG_1209IMG_1210

IMG_1249そして翌日、今回同行者が最も行きたかった「ポールボキューズ」。期待通り永遠のおいしさを伝えてくれ、最大満足で、堪能しました。「ムッシュ・ポール」が体調不良でいなかったのが、心残りでしたが・・・。(スズキのパイ包み焼き、ソースショロン)

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(ブレス産鶏の膀胱(ヴェッシー)包み)

IMG_1263そして今回最大の収穫。パリ、1つ星「Laurent」。シャンゼリゼから北へ少し入った宮殿のようなレストラン。パリセレブご用達の名店、その多くが金融、裁判所、オークション等関連らしい。料理はまさしく正統派。パリのレストランに慣れたら、是非一度行って頂きたい店です。ちょっと服装に気を付けて・・・。IMG_1272 IMG_1288

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今回最後の三ツ星お馴染みLedoyen。少しずつ進化しているのか、変化しているのか。

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